リハビリテーション

クールダウンについて

スポーツ選手の皆さん、運動後に『クールダウン』は行っていますか?

当院では小中学生に対して「成長期スポーツ障害予防教室」を開催しており、成長期に起こりやすい障害について講義を行い、予防方法・ストレッチ方法を選手・保護者に紹介しています。

2015年度に教室参加していただいた小中学生へ「ウォームアップ・クールダウンは行っていますか?」というアンケート調査を実施したところ、ウォームアップは選手60名中55名(92%)が実施していましたが、クールダウンは選手60名中40名(66%)しか実施していないという結果でした。また、実施時間は平均5分と、充分に実施出来ていないという結果でした。さらに、当院の過去の研究では、『ウォームアップの実施率が75%に対し、クールダウンの実施率は9.6%であった』とクールダウン不足を報告しています。

クールダウンの重要性

ウォームアップ(準備運動)の目的が、運動パフォーマンスの向上とされ、身体を通常モードから運動モードに切り替えるものとなります。それに対し、クールダウン(整理運動)の目的は、翌日に疲れを残さないように疲労の回復を促し、温まった身体を運動モードから通常モードに切り替え、関節の柔軟性・可動域を取り戻して障害を予防するなどコンディショニングにおいて非常に重要な役割を果たすものです。

クールダウンの方法

クールダウンの方法は、①きつくない程度の軽い運動、②静的ストレッチ、③アイシング(必要に応じて)の順に実施します。

  • ①きつくない程度の軽い運動は、ジョギングやウォーキングなど、息があがらない程度の負荷の軽い運動を5~10分程度実施します。
  • ②静的ストレッチの目的は、運動による筋の緊張(張り)を緩和し、元の状態に戻すことです。スポーツでよく使った部位や「疲れ・張り・違和感」の感じる部位を中心に“反動をつけずに”ゆっくりと伸びる場所を意識して行います。ストレッチの注意点ですが、力を入れて呼吸を止めないように注意し、痛みのない範囲で行うようにしましょう。ストレッチの頻度と回数ですが、各部位1回につき10~20秒程度を5~10セット行うようにしてください。下の図の例は、太ももの前面・後面・内側・外側のストレッチとなります。

③アイシングは、必要に応じて「疲れ・張り・違和感」などを感じる部位に対して実施します。アイシングの治療時間は15~20分程度行うことをお勧めしております。凍傷と神経損傷に気を付けて実施しましょう。以上のような内容を全体でまとめて30分程度で行うことで、障害の予防に繋がります。

終わりに

当院のスポーツ障害予防に対する取り組みとして、成長期に起こりやすい障害について講義し、理学療法士が選手個別にフィジカルチェックを行い、選手自身の弱点を明確にしたうえで、克服のためのストレッチ方法の指導を行う「成長期スポーツ障害予防教室」を開催しています。教室では、上記のようなウォーミングアップ・クールダウンについてもご説明させていただいております。ご興味のある方は是非参加してみてください!

【引用文献】

  • 鈴木智, 丹治信志 他:弓道競技者におけるアンケート調査, 日本スポーツ整形外科学会, 2012
  • 倉持梨恵子, 山本利春:ストレッチング 各種ストレッチングの方法と適応, 臨床スポーツ医学 Vol.28:223-231, 2011
  • 土屋明弘, 佐藤謙次, 小松絵梨子:アイシングの適応と注意点, 臨床スポーツ医学Vol.32:484-487, 2015
PAGE TOP