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本稿では、当院における人工膝関節全置換術後のリハビリテーションについて紹介します。 (人工膝関節全置換術の手術についての概要はこちらから) 当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。 目次 1. 人工膝関節全置換術とは?手術の概要と目的 2. 術後リハビリテーションの目的と重要性 3. 入院リハビリテーションスケジュール 4. 当院のリハビリテーションの特徴 5. さいごに 1. 人工膝関節全置換術とは?手術の概要と目的 人工膝関節全置換術は、変形性膝関節症、関節リウマチ、大腿骨内顆骨壊死などによって膝関節が損傷・変形し、強い痛みや関節の動きの制限、不安定性が生じ、日常生活に支障をきたしている場合に行われる外科的治療法です。 『変形性膝関節症 診療ガイドライン2023』では、人工膝関節全置換術は膝関節の疼痛軽減、可動域および支持性の改善を通じて、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)および生活の質(QOL:Quality of Life)の向上に有効であることが示されています1)。 2. 術後リハビリテーションの目的と重要性 術後のリハビリテーションは、人工膝関節の手術を受けたあとの膝の動きや筋力を回復させ、日常生活を安全かつ快適に送るために欠かせない取り組みです。具体的な目的と重要性は以下のとおりです。 1) 術後炎症症状の軽減 人工膝関節の手術を受けたあとには、膝の腫れ・熱感・赤みといった炎症の症状がよくみられます。これらは、痛みを強め、膝の動きを制限し、太ももの筋力を低下させるなど、回復を遅らせる要因となります。この炎症を早く落ち着かせるためには、手術直後からの軽い筋肉の収縮運動(図3)が効果的とされています。軽く筋肉を動かすことで、血液やリンパの流れが良くなり、炎症のもととなる物質の排出が促されます。 実際に、Loydらの研究では、手術後にみられる腫れ(腫脹)の程度が、6週後の筋力や歩行能力の回復に影響することが報告されています2)。また、Paravlicらの研究によると、炎症が落ち着いても筋力の回復には時間がかかり、最大の回復までに6か月以上を要するとされています3)。 そのため、術後早期に炎症を適切に抑え、痛みや腫れによる筋力低下を防ぎながら、軽い運動を安全に始めることが、長期的な回復を遅らせないための重要なポイントになります。 当院では、手術の翌日から安全に配慮した軽い運動を開始し、炎症を抑えながら体の回復を促すリハビリテーションを行っています。 図3. 大腿四頭筋セッティング(タオルつぶし) 2) 術後合併症の予防 人工膝関節の手術を受けたあとは、血のかたまり(血栓)ができてしまう「深部静脈血栓症」や、それが肺に移動して起こる「肺塞栓」、また「感染」や「関節が硬くなる(拘縮)」といった合併症が起こりやすくなります。こうした合併症を防ぐために、リハビリはとても大切です。特に、手術から24時間以内にリハビリを始めることが推奨されています4)。 早めに足の運動や歩行練習を行うことで血流がよくなり、血栓が生じるリスクを減らすことができます。また、肺に血液がたまらないようにし、呼吸のトラブルを防ぐことができます。実際に、世界的なリハビリのガイドラインでも、早期にリハビリを始めることが合併症の予防や回復の早さにつながると示されています4)。 当院では、安全に十分配慮したうえで、手術の翌日から軽い運動を少しずつ開始します。無理のない範囲で体を動かすことで、合併症を防ぎ、安心して回復できるようサポートしています。 3) 筋力および関節可動域の回復・維持 人工膝関節の手術のあとには、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の力が一時的に弱まり、膝の曲げ伸ばしが制限されることがあります。これにより、歩くことや階段の上り下りが難しくなることがあります。そのため、早い時期からのリハビリテーションがとても大切です。特に、軽い負荷をかけて行う「筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)」を取り入れることで、筋力や関節の動きを取り戻しやすくなり、痛みの軽減や生活の質の向上につながることがわかっています。 こうした運動は、手術後12週間以内に開始することで、より高い効果が得られることが報告されています5)。手術後には一時的に筋力が低下しますが、リハビリテーションを継続することで筋力は徐々に回復することが報告されています6)。 当院では、術後早期から安全に配慮しながら、足のトレーニングや膝の曲げ伸ばしを段階的に行うプログラムを実施しています。筋力を強くしながら柔軟性も高め、スムーズに日常生活へ戻れるようサポートしています。 図4 膝関節に対するリハビリテーションの様子 図5. 膝曲げ伸ばし運動(セルフエクササイズ例) 4) 日常生活活動 (ADL) の再獲得と生活の質 (QOL) の向上 人工膝関節の手術を受けたあとには、歩く・立ち上がる・階段の上り下りといった動作が一時的に難しくなることがあります。これらの動作を少しずつ取り戻していくことは、安心して自立した生活を送るための大切なステップであり、生活の質(QOL)の向上にもつながります。リハビリテーションでは、痛みや関節のこわばりを抑えながら、動きの安定性や筋力を徐々に回復させ、日常の動作を一つひとつ取り戻していきます。研究でも、術後に行う運動療法が、数か月以内に歩行や階段昇降などの能力を改善し、生活の質を高める効果があることが示されています7, 8)。 当院では、入院中から患者様一人ひとりの回復の段階に合わせて、適切な運動や動作練習を行っています。また、退院後もご自宅で続けられる運動方法をお伝えし、日常生活での自立をサポートしています。体力や回復のペースには個人差がありますが、多くの方が手術から1週間ほどで基本的な動作を習得されています。 図6 階段昇降および床上動作練習の様子 3. 入院リハビリテーションスケジュール 4. 当院のリハビリテーションの特徴 ① 術前評価で備える 術前に身体機能を評価し、術後リハビリの目標を個別に設定。安心して手術に臨める準備を行います。 ② 翌日開始で防ぐ 翌日からリハビリを開始することで、血栓や筋力低下の予防、早期回復を目指します。 ③ 退院前に安心を 退院前教室を通じて、日常生活への復帰に必要な動作や注意点を確認。不安なく退院できるよう支援します。 ④ 退院後も支え続ける 退院後は外来リハビリで継続的にサポート。動作能力の維持・向上や日常生活への適応を一貫して支援します。 図7 退院前教室の様子 5. さいごに 人工膝関節の手術を受けた後のリハビリテーションは、機能回復だけでなく、快適な日常生活を取り戻すために重要なプロセスです。ご自身の身体の状態に合わせて、適切なサポートを受けることが回復への近道になります。膝関節の痛みや日常生活における膝関節可動域制限などでお困りの方は、一度診察にいらしてください。 執筆:病院理学診療部 北田和英 監修医師: 二宮太志 参考文献 1) 日本整形外科学会(監修). 変形性膝関節症 診療ガイドライン2023. 南江堂. 2023; 111. 2) Brian J Loyd et al. The relationship between lower extremity swelling, quadriceps strength, and functional performance following total knee arthroplasty. Knee. 2019; 26: 382-391. 3) Armin H Paravlic et al. The Time Course of Quadriceps Strength Recovery After. Total Knee Arthroplasty Is Influenced by Body Mass Index, Sex, and Age of Patients: Systematic Review and Meta-Analysis. Front Med (Lausanne). 2022; 9: 865412. 4) Diane U Jette et al. Physical Therapist Management of Total Knee Arthroplasty. Phys Ther. 2020; 100: 1603–1631. 5) Jaehyun Lim et al. Effects of Resistance Training on Pain, Muscle Strength, and Function in Patients Undergoing Total Knee Arthroplasty: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2025; 14: 4979. 6) Armin H Paravlic et al. The Time Course of Quadriceps Strength Recovery After. Total Knee Arthroplasty Is Influenced by Body Mass Index, Sex, and Age of Patients: Systematic Review and Meta-Analysis. Front Med (Lausanne). 2022; 9: 865412. 7) Kristin J Konnyu et al. Rehabilitation for Total Knee Arthroplasty: A Systematic. Review. Am J Phys Med Rehabil. 2022; 102: 19–33. 8) Takaya Watabe et al. Preoperative factors associated with failure to achieve the minimal clinically important difference in quality of life following total knee arthroplasty. BMC Geriatr. 2025; 25: 476.
ふなせいコラム:膝はじめに こちらのコラムでは、スポーツで膝の痛みがある方への対処法を理学療法士が解説いたします。 当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。 〜目次〜 1. ジャンパー膝〜お皿の下が痛い〜 2. 原因〜なぜ痛くなるのか〜 3. 診断〜ジャンパー膝のみつけ方〜 4. 重症度分類〜どの段階まで進行しているか〜 5. リハビリテーション 6. さいごに 1. ジャンパー膝〜お皿の下が痛い〜 ジャンパー膝は、スポーツや部活動で繰り返される「ジャンプ」や「着地」を多く行う人にみられ、膝の痛みを主な症状とする障害です。特にバレーボールやバスケットボール、陸上競技(特に跳躍系)での発症頻度が多く報告されています。 本稿では、ジャンパー膝の原因や重症度の見分け方、効果的なリハビリ方法を解説します。 2. 原因〜なぜ痛くなるのか〜 膝のお皿(膝蓋骨:しつがいこつ)の下には膝蓋腱(しつがいけん)と呼ばれる、太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)と脛(すね)の骨をつなぐ腱があります。この腱は、太もも前面の筋肉が伸び縮みしたときに、脛を引き上げたり下げたりします(図1)。 図1 膝の構造 また、着地からジャンプする際に力を貯めて放出する役割があります。ところが、急激な膝の曲げ伸ばしや、悪い姿勢での着地が繰り返されることで膝蓋腱に微細な炎症が起こり、膝の痛みにつながります(図1、写真1)。 写真1 悪い姿勢での着地 つま先が外を向き、膝が内を向く姿勢 原因には以下のものが挙げられます。 ✓硬い床面でジャンプ・着地動作の繰り返し ✓柔軟性の低下 (ハムストリングス、お尻、大腿四頭筋など) ✓急激な運動量の増加 ✓悪い姿勢での着地を繰り返す (写真1) 3. 診断〜ジャンパー膝のみつけ方〜 以下の症状・所見でジャンパー膝を疑います。 ✓膝蓋腱が押されて痛い ✓ジャンプやダッシュ、歩行や階段で痛い ✓画像所見(MRI・エコー等) 膝蓋腱の肥厚や炎症や変性が確認できる 骨折や骨の変形がないことを確認するために、レントゲン撮影も行います。 4. 重症度分類〜どの段階まで進行しているか〜 重症度は痛みの程度で分類されます。 ✓Roels分類 5. リハビリテーション リハビリテーションの目的は、痛みの軽減と膝にかかっていた負荷を調節することです。膝にかかっていた負荷を下げるために、「どの動作で膝が痛むのか」を確認します。ダッシュやジャンプ、着地などの動作で痛みがある場合は、控えるよう説明します。 また、炎症による痛みが強く日常生活が制限される場合には、アイシングを15~20分程度実施します(写真2)。 写真2 アイシング そして、膝蓋腱へのストレスを軽減するために、膝関節だけでなく股関節や足関節の柔軟性と筋力のチェックを行います(写真3~5)。 写真3 ハムストリングスの柔軟性チェック 写真4 お尻の柔軟性チェック 写真5 大腿四頭筋のチェック リハビリ開始の段階では、柔軟性の確認とストレッチの処方を行います(写真6~8)。 写真6 ハムストリングスのストレッチ 写真7 お尻のストレッチ 写真8 大腿四頭筋のストレッチ 柔軟性、筋力を確認したあと、パワーポジションを確認します(写真9)。 パワーポジションは、素早く力を発揮したい時に体が最もスムーズに動ける姿勢のことです。ジャンプやターン、着地からダッシュなど、あらゆる動きの準備姿勢となります。 ジャンパー膝は、パワーポジションが崩れた状態で着地動作を繰り返すことなどで膝に負担がかかり、膝蓋腱に炎症が起こり膝の痛みに繋がります。パワーポジションの確認と修正は、ジャンパー膝の症状を軽減させるためにもとても重要です。 写真9 パワーポジションの確認 スクワット動作のチェック項目 1.正面 ✓肩のラインが床面と平行か ✓骨盤にある手のラインが床面と平行か ✓膝とつま先が同じ方向か 2.側面 ✓股関節で曲げられているか ✓体幹と脛(すね)が平行か ✓股関節と膝関節の動作のタイミングが合っているか 3.正面・側面 ✓足の裏の全面で接地できているか (足先や、かかとが浮かないか) さらに当院では経過に応じて、物理療法機器を利用した治療も行います。拡散型圧力波は慢性的なジャンパー膝に対し、徐痛効果と組織修復を目的として使用します(写真10)。 写真10 拡散型圧力波機器 ジャンパー膝のリハビリは、症状に合わせた治療や運動療法を選択し、必要に応じて物理療法機器を使用しながら治療を進めます。詳細につきましては、リハビリに来院された際に担当療法士へお尋ねください。 6. さいごに ジャンパー膝は、重症化させないことがポイントです。また「段階的なリハビリテーション」を実施することで十分に回復が見込めます。「放っておけば治るだろう」ではなく、早期発見・早期対応が競技復帰の近道です。 執筆:船橋理学診療部 佐野求 監修医師:高橋謙二 参考文献 1)熊井司ら.軟部組織損傷・障害の病態とリハビリテーション.MEDICAL VIEW.2022 2)石井慎一郎ら.膝関節理学療法マネジメント. MEDICAL VIEW.2018 3) 林典雄ら.整形外科運動療法ナビゲーション上肢.MEDICALVIEW.2014 4) 八木茂典ら.Anterior knee painに対する機能解剖学的運動療法-膝蓋腱周囲の痛みについて.整形外科リハビリテーション学会誌.2010 5) 八木茂典ら.ジャンパー膝の分類と運動療法.Sportsmedecine.2012 6) 東山一郎ら.ジャンパーの病態:骨梁構造,組織学的検討.臨床スポー ツ医学.2010 7)日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会.膝蓋腱炎(ジャンパー膝).2023 8) 中村利孝ら.標準整形外科学第10版.医学書院.2008
ふなせいコラム:肘当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。 目次 1. 上腕骨外側上顆炎とは 2. 上腕骨外側上顆炎の症状 3. 上腕骨外側上顆炎の病態 4. 上腕骨外側上顆炎の検査方法 5. 上腕骨外側上顆炎のリハビリテーション 6. 日常生活での注意点 7. さいごに 1. 上腕骨外側上顆炎とは 上腕骨外側上顆炎とは、上腕骨の外側上顆と呼ばれる部分に付着する手関節、手指の伸筋群(手首を反らしたり、指を伸ばす筋肉)の腱に炎症を生じ、肘の外側に疼痛をきたす疾患です。テニスやバドミントンなどのラケットを使用するスポーツでの発症頻度が高く、バックハンドストロークの際に手関節が背屈し、インパクトの瞬間に痛いため「テニス肘」とも呼ばれますが、日常生活動作や労働により発症することが多く、30歳代の後半から50歳代に多いといわれています。職業では、1㎏以上の重い道具を使う仕事や、20㎏以上の物を1日10回以上持ち上げる仕事、2時間以上の繰り返す動きを伴う仕事が本疾患に関連していると考えられています。一般的な生活習慣の人で0.8~1.3%、労働者では2.0~12.2%に発症します。 ほとんどの患者さんはリハビリテーション(リハビリ)、投薬などの保存的治療で改善しますが、難治性となり手術が必要になることがあります。船橋整形外科グループでは上腕骨外側上顆炎と診断される患者さんは毎年1000人程いますが、そのうち手術になるのは10人、1%前後です(2019-2022年上腕骨外側上顆炎と診断された外来患者4361人、手術件数47件)。 2. 上腕骨外側上顆炎の症状 手を使った時に肘や前腕の外側に痛みが生じるのが主な症状です。タオルを絞る、物を持ち上げる、掃き掃除をするなどの動作が上腕骨外側の手関節伸筋付着部(手首を動かす筋肉が付いている部分)に最も負担がかかるため、痛みが生じることが多いです。 3. 上腕骨外側上顆炎の病態 上腕骨外側上顆炎は、主に短橈側手根伸筋と呼ばれる筋肉の腱付着部症であり、炎症や変性、微小断裂が生じている事が痛みの原因になっていると考えられています(図1参照)。しかし、同部位を治療したのみでは症状がとれないこともあり、輪状靱帯の肥厚、滑膜ヒダによる障害、軟骨変性などの関節内病変の関与も報告されています(図2・3参照)。 図1 上腕骨外側上顆炎の病態 図2 腕橈関節の滑膜ヒダ 図3 橈骨頭の軟骨変性 4. 上腕骨外側上顆炎の検査方法 日本整形外科学会の診断基準は以下の通りです。①手関節への徒手抵抗にて肘外側に疼痛が生じる(写真1参照)、②外側上顆を押すと強く痛む(写真2参照)、③腕橈関節の障害など伸筋群起始部以外の障害によるものは除く。 診断基準以外によくみられる臨床所見は、チェアテスト、中指伸展テストなどの疼痛誘発テストです(写真3、4)。いずれかに当てはまる場合は、上腕骨外側上顆炎が疑われる為、早めの受診をお勧めいたします。 写真1 手関節への徒手抵抗 写真2 外側上顆の圧痛 ※補足事項 ◎写真1 手首を反らした被検者(患者)の握り拳を、検者が抵抗を加えると疼痛が誘発されます。 <上腕骨外側上顆炎の検査例> 写真3 チェアテスト 写真4 中指伸展テスト ※補足事項 ◎写真3 手首を反らした状態で、椅子を持ち上げた際に肘の外側が痛む場合、上腕骨外側上顆炎を疑います。 ◎写真4 肘を伸ばした状態で、中指へ抵抗を加えた際に肘の外側が痛む場合、上腕骨外側上顆炎を疑います。 外来受診時の画像検査はまず単純レントゲン検査を行います。上腕骨外側上顆炎では石灰化像がまれにありますが、正常なことが多いです。変形性肘関節症、外側側副靱帯損傷などを鑑別するために行っています。難治症例に対してはMRIを行い、変性部の損傷程度、関節内病変の有無を確認しています。 5. 上腕骨外側上顆炎のリハビリテーション 熱感や腫脹を認める急性炎症期では、疼痛部位のアイシング(アイスパック等を使用して患部を冷やすこと)を実施します(写真5参照)。アイシングは1回あたり15分程度を目安とします。熱感、腫脹の軽減がみられても、肘関節の曲げ伸ばし運動での痛みが残存する場合は、痛みがない範囲で肘関節の自動屈伸運動や手関節を背屈する軽いストレッチングを行うことで関節周囲軟部組織の局所循環改善を図ります(写真6参照)。 写真5 アイシング 写真6 腕のストレッチ また、上腕骨外側上顆炎と診断された方の多くは、肘関節の局所症状に加え、肩甲骨周囲の柔軟性が低下しているケースが多く、肩甲骨周囲の硬さが肘への負担を増やして痛みの原因となっています。肘関節の負担軽減を目的に、肩甲骨周囲のストレッチを行います。 (写真7参照)。 写真7 肩のストレッチ さらに当院では、経過に応じてさまざまな物理療法機器を用いて症状に対応しています。 一例として、エコー検査機器(写真8参照)を用いて、圧痛部位の確認や筋肉・関節の動きを観察し、拡散型圧力波(写真9参照)を用いて症状の改善を図ります。 拡散型圧力波は、即時的な除痛効果と遅発的な組織修復効果があるとされ、上腕骨外側上顆炎に対しても効果的であるとされています。拡散型圧力波を施行し、1回目から症状の軽減を認める場合もありますが、2回目以降に症状の変化を自覚される場合も多く見受けられる為、効果判定を行いながらリハビリプランを検討していきます。 写真8 エコーを使用した検査例 写真9 拡散型圧力波の治療例 その他、上肢の筋力が低下していることが原因で、肘関節に負担がかかっている可能性も考えられます。このように、上腕骨外側上顆炎のリハビリにおいては、病態に応じた運動療法を選択し、必要に応じて物理療法機器を使用しながら治療を進めていく必要があります。詳細につきましては、リハビリに来院された際に担当の理学療法士へお尋ねください。 6. 日常生活での注意点 できる範囲で肘関節、手関節、手指の使用頻度を減らすように心がけることがリハビリを進めるうえで重要です。痛みが伴う動作は損傷部位に負担がかかっているので、なるべく控えるようにしましょう(写真10参照)。 写真10 デスクワークでの負担軽減方法 ※補足事項 ◎写真10 長時間のパソコン作業を行う際は、肘関節への負担を軽減する為に、前腕の腹側にタオル等を敷くことで、手関節背屈保持を軽減し、肩甲帯や上肢の過活動を抑えることができます。 7. さいごに 上腕骨外側上顆炎は上肢疾患の中で比較的多く見受けられる疾患の1つです。日常生活や、仕事での使いすぎによって症状が悪化するので、受診が遅れると慢性化する恐れがあります。 当院では船橋整形外科クリニック、西船クリニック、市川クリニックの3施設において、理学療法士が身体の状態を個別に評価し、一人一人に即したリハビリを提供させていただいております。安易に放置せず、早めの受診をおすすめいたします。 執筆:市川理学診療部 梶山裕太 監修医師:松葉友幸 参考文献 1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会.上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン2019.南 江堂.2019 2)中村利孝ら.標準整形外科学第10版.医学書院.2008 3)一般社団法人日本理学療法学会連合.理学療法ガイドライン第2班.医学書院.2021 4) 林典雄ら.整形外科運動療法ナビゲーション上肢.MEDICALVIEW.2008 5)相澤純也ら.整形外科理学療法ベストガイド.中外医学者.2018 6)日本運動器SHOCKWAVE研究会. 7)大歳憲一ほか:上腕骨外側上顆炎の疫学と保存療法.整形・災害外科,2020;63:1749-1756. 8)村田景一ほか:上腕骨外側上顆炎に対する鏡視下・直視下手術併用療法.整形・災害外科,2020;63:1811-1816. 9)Mullett H, et al. : Arthroscopic treatment of lateral epicondylitis ; clinical and cadaveric studies. Clin Orthop, 2005; 439: 123-128.
ふなせいコラム:股関節本稿では、当院における人工股関節全置換術後のリハビリテーションについて紹介します。 (人工股関節全置換術の手術についての概要はこちらから) 当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、”整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。 目次 1. はじめに 2. 手術前のリハビリテーション 3. 入院中のリハビリテーション 4. 退院後のリハビリテーション 5. 最後に 1. はじめに 最小侵襲手術(MIS)は筋肉や軟部組織の損傷を限りなく少なくすることで、術後の身体への負担を少なくし、早期回復が期待できる手術法です。特に当院では日本で初めて筋腱温存に優れた前方アプローチ(DAA)を全例で採用することで、約1週間の入院で歩行が自立し退院することを可能としています。入院中に十分なリハビリを行うため、術後のリハビリテーションの通院頻度はそれほど多くありません。退院後、自宅で毎日セルフエクササイズを行うことで、十分な成果を上げることができます。そのため、遠方の方でも手術を受けやすい環境になっております。 2. 手術前のリハビリテーション 手術が決まった段階からリハビリテーションを開始します。手術前からリハビリテーションを開始することで、血流循環を良くし、筋柔軟性を高め、患部以外の筋力が向上し、術後のリハビリテーションをスムーズに遂行できるようになります。 3. 入院中のリハビリテーション ● 日常動作練習 当院では、術後1日目からリハビリテーションが始まります。理学療法士・作業療法士の指導のもと、ベッド周囲の動作練習や立ち上がり練習、歩行器を用いた歩行練習やトイレ動作の確認を行います。早期離床をすることで深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の予防や、入院期間の短縮が期待できます。 術後2日目以降からは杖を用いた歩行や階段昇降、屋外の歩行も確認します。また、靴下の着脱動作や物を拾う動作、床上動作などの日常生活動作の確認も行います。入院中に集中的にリハビリテーションを行うことで、ほとんどの方が安定して杖歩行で退院することができています。 歩行器を使った歩行練習 階段昇降の練習 ● 脱臼予防指導 術後3週間は脱臼危険性が高くなるため、脱臼を防ぐための動作指導を実施しています。脱臼しやすい姿勢(禁忌肢位)となる動作の確認を行い、退院までに日常生活の中で禁忌肢位が起こりやすい場面でも安全にお過ごしいただけるように確認・練習を繰り返し行います。 ● 退院前教室 退院前には日常生活の動作指導や日常のちょっとした注意点を講義と実技指導を交えて行う退院前教室を開催しています。講義では退院後に許可される動作や就労活動の確認、脱臼についてなどを詳しく説明します。実技指導では日常生活で行う動作を練習します。自宅の状況に応じて布団に寝るための床上動作の練習などの動作を確認します。他にも歩行速度の計測、体組成の測定を行い退院後の生活がイメージしやすくなるような個別の説明も含めて行っています。 教室に参加していただく利点は、同じ手術をされた方が集うため、症状などの共有や自身が気付かなかったことでも他者の質問により知ることができ、退院後の不安を少しでも軽減できることです。 床上動作の練習 安全な靴下の履き方 教室の様子 4. 退院後のリハビリテーション 術後3週・6週・12週に定期外来診察があり、同じ日に外来リハビリテーションも並行して行います。時期によってできることが増え、リハビリテーションの実施目的も変化するため、段階的に新しいセルフエクササイズを指導させていただきます。 ※術後3週以降は、主治医と相談のうえ週1回の外来リハビリテーションに通院される方もいらっしゃいます。 術後3週までは、腫脹が増強しないよう炎症を管理しつつ、股関節の可動域を広げるようなストレッチングを中心に行います。この期間、痛みや腫れをコントロールしつつ、股関節の動きを徐々に回復させます。 術後3週からは、状態に合わせて徐々に筋力を強化していきます。殿部の筋力を強化することによって歩容の改善や、スポーツを希望される方はその競技の動作に向けた運動を行います。術後3ヵ月になるとハイインパクトスポーツ(マラソンなど)やコンタクトスポーツ(サッカーやラグビーなど)以外のスポーツ活動が許可されます。手術後でも生涯スポーツを楽しんでいくことが可能です。 セルフエクササイズの指導の様子 5. 最後に 人工股関節全置換術後のリハビリテーションは、家屋などの住環境・生活環境や身体の状態に合わせて皆様の「手術後にこうなりたい!」という目標や希望に合わせて提供させていただきます。手術は大きな決断ですが、より良い生活を送るための選択肢の一つになります。「手術を受けたい!」とまではいかなくても、股関節の痛みや日常生活における股関節可動域制限などでお困りの方は、まずは第1歩として、当院の診察に来て相談していただきたいと思います。 執筆:病院理学診療部 中村周平 監修医師:三浦陽子