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ふなせいコラム:肩

肩の脱臼について

今回は肩の脱臼について、船橋整形外科病院で過去に行ってきた肩の脱臼の治療をもとに、原因・症状・手術などについてわかりやすく解説していきたいと思います。 当院の解説 船橋整形外科病院は千葉県船橋市に所在し、“整形外科における専門医療の実践”を柱とした整形外科専門病院です。手術件数などの詳細はこちらをご確認ください。   Q:肩の脱臼の原因について教えて下さい? 肩の脱臼とは、腕の骨(専門用語で上腕骨【じょうわんこつ】といいます)が、肩甲骨の受け皿(関節窩)から外れてしまった状態のことで、多くの場合、けがによって起きます(外傷性脱臼といいます)。 肩が脱臼した際に関節窩の周りにある関節唇が損傷します。 これをバンカート損傷(Bankart損傷)と呼びます。このバンカート損傷は自然には修復されず、さらに靭帯が緩んでしまうと脱臼を繰り返します。これを反復性脱臼といいます。 Q:肩の脱臼の症状について教えて下さい? 通常、肩を脱臼した時には痛みを生じ、肉眼的にも肩が変形するといった症状がみられる場合もあります。また、脱臼にともなって腋窩神経などの腕神経叢と呼ばれる神経が一時的に麻痺し、肩や腕に力が入りにくくなることが起こる場合もあります。肩の脱臼を繰り返した反復性肩関節脱臼の場合には、特定の位置で肩が脱臼しそうになるという不安感が生じることがあります。   Q:肩の脱臼をしたとおもったら、どうしたいいですか? 肩の脱臼が自然に治らない場合はただちに病院に行き、脱臼しているかをレントゲンで確認した後、医師により脱臼を整復してもらいましょう。 肩の脱臼が自然に治った場合でもあまり無理に肩を動かさないようにし、安静を保ちながら肩の専門医師のいる病院を受診してください。 とくに肩の脱臼が繰り返し起きている場合には、専門的な治療が必要になりますので肩の専門医師がいる病院を受診する事を強くおすすめいたします。   Q:肩の脱臼の診断方法はどういったものがありますか? 肩のレントゲン写真を撮り、脱臼しているかを確認します。また、骨折を伴っていないかも同時に確認します。 次に肩の脱臼の原因を詳しく調べるためにCTやMRI検査を行います。   CT:主に骨の形態、骨折の有無を確認します。 MRI(関節造影):レントゲンやCTでは見えない靭帯や関節唇の損傷(バンカート損傷)を確認します(注:検査前に生理食塩水を関節内に注射して評価します)   Q:船橋整形外科病院では肩の脱臼の手術はどのように行っていますか? 手術は原則関節鏡視下手術で行っています。手術時間は患者様の症状にもよりますが1時間から2時間で終わります。肩の骨や靭帯の状態が悪い場合は骨移行術(ブリスト―法)を行う場合もあります。 鏡視下手術のメリットは従来の手術法(関節鏡を使用せず直視下に行う方法)と比較すると、傷口が小さいため正常組織を傷つけにくい、痛みが少ない、術後の感染が少ないなどの利点があります。 また、美容的観点からも手術後に残る傷跡は多くの場合小さな痕しか残りません。 当院での方法は鏡視下バンカート修復術と言われる方法で行っています。鏡視下バンカート修復術とは、関節窩の端に糸のついた非金属性のビス(アンカー)を骨に打ち込み、損傷した関節唇とゆるんだ靱帯に糸を用いて靭帯に緊張をかけ修復をします。   ポイント:当院での鏡視下バンカート修復術は、患者様のスポーツ歴などの背景によっていくつかのバリエーションがあります。 手術後の再脱臼のリスクを減らす目的で、バンカート法に加え補強処置をおこなう場合があります。患者様の年齢(特に10代は再脱臼のリスクが高いです)、肩関節の状態、現在おこなっているスポーツ活動の種類によって手術の補強処置をおこなっています。 現在行われているスポーツへの復帰や、今後やってみたいスポーツなどありましたら手術、前に必ず医師にお伝えください。 以下が主な補強処置です。   補強処置①:腱板疎部縫合術 腱板疎部というのは前方の腱板である肩甲下筋腱と棘上筋腱の間のことで、この腱板疎部を糸で縫合し、関節自体の容量を小さくすることで再脱臼を予防するための処置です。 補強処置②:レンプリサージ法 脱臼の際にできてしまった上腕骨頭後方の陥没部分(ヒルサックス病変と言います)にアンカーを挿入し後方の腱板に糸をかけこの陥凹を埋めるように縫い付ける方法です。この陥没が大きいと損傷したバンカート病変にはまり込み、脱臼が起こりやすくなるため、レンプリサージ法が必要になることがあります。 とくに相手との接触機会が多いスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、バスケットボールなど)に関わる患者様の場合は、タックルやトライなどスポーツ活動中の再脱臼の可能性が高いため、腱板疎部縫合術とレンプリサージ法を併用して行います。また、オーバーヘッドスポーツ(野球・ソフトボールなどのボールを投げるスポーツ、テニスやバドミントンなどのラケットを振るスポーツ)の患者様の場合には、投球やスイングの妨げにならないように可動域を確認しながらバンカート修復術のみを行います。 このように患者様のスポーツ内容によって、一人一人に最適な術式を選択して行っております。   Q:肩の脱臼は手術をしないと治りませんか? 脱臼の際に関節唇が損傷(バンカート損傷)した状態で靭帯が一度緩んでしまうと、脱臼がくせになってしまう場合があります。この病態を反復性肩関節脱臼といいます。 反復性肩関節脱臼になると、テーピングや装具で肩を押さえても不安定感が残り再脱臼をおこします。 また肩がいつ脱臼するのかわからないという不安で日常生活が過ごせない、肩の痛みや不安定感があり全力でスポーツができないなどの理由で手術を希望される患者様もいらっしゃいます。 不安な気持ちがある方は一度当院でお話だけでもいただけたら、最適な治療方法をご説明出来ると思いますのでお気軽にお問い合わせください。   Q:肩の脱臼の手術は痛いですか?どのような麻酔をしていますか? 船橋整形外科病院では経験豊富な麻酔科医(麻酔専門医10人)の管理のもと、患者様の術後の痛みを少しでも軽減出来るように、全身麻酔と神経ブロックを併用して麻酔を行っています。 全身麻酔とは、手術中の痛みや意識を取り除き、手術が安全に行えるように患者様の全身状態を維持することです。手術室に入室後、点滴の管から麻酔薬を投与して眠っていただきます。全身麻酔中は深い眠り(無感覚/無意識)のため、口からチューブをいれて人工的に呼吸を管理します。また、手術中および手術後の痛みを最小限におさえるために、神経ブロックも併用します。神経ブロックは執刀直前に麻酔科医により行われます。首の付け根から、肩や腕の神経の周囲に麻酔薬を注射し、肩や腕の痛みを感じる神経をブロックします。 神経ブロックを行うことで、手術後12時間程度はほとんど痛みを感じることはありません。通常、手術後の痛みは術後2日ほど続きますが、神経ブロックの効果消失後は内服薬や座薬などの鎮痛薬に切り替えます。     Q: 肩の脱臼の手術の入院期間はどのくらいになりますか?入院から退院までの流れを教えてください。 通常は3泊4日の入院で、手術後2日目で退院となります。 初日(術前日) 装具合わせ、入浴、リハビリ(術前評価) 2日目(手術当日) 手術、術後3時間で歩行・飲食可能 3日目(手術翌日) リハビリ開始、創部消毒、更衣・シャワー・装具着脱訓練 4日目(術後2日目) 退院   以上が大まかな流れです。ただ患者様の状況に合わせて若干の変更がありますので、必ず医師またはスタッフから説明させていただきます。なにか疑問がありましたらスタッフまでお気軽にお問い合わせください。   Q:退院後の生活は?装具をいつまで装着したらよいですか? 更衣・入浴 退院直後からご自身で可能となります(正しい方法を入院中に指導します) リハビリ 退院後、数日以内に開始します。 通学 退院後すぐに許可しています 抜糸 術後10日目頃に外来で行います(※抜糸前は傷口の汚染に注意してください) 装具 約2-3週間継続します(通常は衣服上に装着します(下図参照)) 運転 装具がはずれてから可能となります     Q:肩の脱臼の手術費用はどれくらいになりますか? 手術方法や患者様の症状などにより費用は若干異なります。おおよその費用は手術前に当院のスタッフから説明させていただきます。当院の場合、3割負担の患者様で入院日数4日間の場合約23万円の自己負担額になります。高額医療制度という、医療費の自己負担額が払い戻される制度を使用することも可能ですので、お気軽にスタッフまで御相談ください。   Q:仕事復帰や競技(スポーツ)復帰の時期はいつごろになりますか? 仕事についてはデスクワークであれば、退院後すぐに許可しております。軽作業の場合は術後2~3ヶ月、重労働の場合は、術後5~6ヶ月頃から可能となる見込みです。 競技復帰に関しては、術後約1ヶ月でジョギングや体幹・下半身の運動を開始します。 手術をした組織の修復には約3ヶ月を要するため、肩に負担のかかる競技やトレーニングの開始は術後約3ヶ月頃となります。 競技完全復帰時期はスポーツ種目や個人の回復具合により異なりますが、術後5~6ヶ月頃を目標とします。競技完全復帰まで継続的にリハビリを行います。術後2年間は診察を継続し、術後6ヶ月、1、2年時に肩の状態を定期的に確認します。   以上になります。他にもなにか質問があれば医師、スタッフにお気軽にご質問ください。   執筆者 看護師:金子誠 医師:星加昭太    

ふなせいコラム:肩

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎とは・・・ 50歳代を中心に多発し、肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称です。 日本では五十肩と同義語的に解釈されています。   原因 発症のプロセスはいまだ明らかではありませんが、肩周囲の筋肉や腱、靭帯、関節包、滑液包などの組織が加齢などにより炎症を生じることが要因と考えられています(図1)。 図1:肩関節周囲炎の主な炎症部位   症状 主症状は、肩周囲の痛みと動きの低下です。特に結髪・結帯・更衣などの日常生活動作が障害されます。 夜間痛(就寝時の痛み)も特徴です。 肩関節周囲炎の病期は、炎症期・拘縮期・回復期に分類され、 症状もそれぞれの時期で異なります(図2)。   炎症期 (痛みがとても強い時期) 明らかなきっかけなく、急速に強い痛みが生じます。多くの場合、安静時痛・夜間痛を伴います。 拘縮期 (肩まわりの動きが硬くなる時期) 強い痛みがやわらいだのち、肩の動きが悪くなる「拘縮」へと移行する時期です。 肩を動かした時に痛みを感じたり、動きの悪さから日常生活動作に不自由を感じることが多くみられます。 回復期 (症状が回復してくる時期) 運動時の痛みや運動制限が次第に改善する時期です。積極的なリハビリを行うことで、 肩の動きの回復が早くなります。 図2:肩関節周囲炎の病期と症状 診断・治療 画像診断:X線画像、関節造影検査、MRIなど 治療:保存療法(服薬、関節内注射、リハビリテーション)、関節鏡視下手術など リハビリテーション 療法士による状態チェック 患者さんの状態に合わせたリハビリを行うため、療法士が患者さんの姿勢や関節の動き、筋力などをチェックし、痛みに関連すると思われる問題点を探ります。(姿勢の観察、動きのチェック、筋力のチェックなど)   病期に合わせたプログラムの実施 得られた情報をもとに病期に合った個別のリハビリプログラムを実施します。 炎症期 痛みに配慮しながら肩周囲の筋肉や関節包の硬さを防いでいきます。 療法士の管理のもと、物理療法や肩甲骨の動きを広げる運動、ストレッチなどを徐々に行っていきます。 また、療法士が自宅で行える運動を指導します。   拘縮期 積極的な運動療法により、肩関節の動きを広げていきます。 療法士の指導のもと、個人のお仕事やスポーツ特性を踏まえた動作練習やトレーニングを行います。   回復期 積極的な運動療法により、肩関節の動きの拡大を目指します。 療法士の指導のもと、肩周囲の筋力強化や腕を挙げるための土台となる肩甲骨を安定させるトレーニングなどを進めていきます。 また、目標とするお仕事やスポーツなどの活動復帰に向けて、それぞれの特性を踏まえた動作訓練を行います。 症状には個人差があります。 いずれの時期も、必ず療法士による指導のもとにリハビリを行うことが大切です。   患者さんからよくあるQ&A Q:四十肩・五十肩は放っておけばいつか治るって本当ですか? A:中にはそのような方もいらっしゃるかもしれませんが、必ず治るとは限りません。  自己判断での放置・または不適切な運動により、症状が悪化したり回復が長引いてしまうケースがあります。  出来るだけ早期に受診し、適切な治療を受けることが大切です。 Q:肩が痛くても、沢山動かした方が早く治りますか? A:必ずそうとは言えません。  安静にしていてもズキズキうずくような痛みがある安静時痛や、  就寝時に痛みで起きてしまうような夜間痛などが生じる炎症期では、  沢山動かすと痛みが強くなってしまいます。  炎症期でなくても不適切な運動により悪化する可能性もあるので、  動かした方がよい時期か医師や療法士の意見を聞くことが重要となります。 Q:四十肩・五十肩はどれくらいの期間で治りますか? A:患者さんの状態には個人差がありますが、約半年~1年かかると言われています。  症状を長引かせないためには、早期から1人1人の状態に合った治療やリハビリプログラムを行うことが大切です。 Q:四十肩・五十肩になってしまった後、テニスや野球などのスポーツに復帰することはできますか? A:多くの場合できます。  ただし、肩の動きや筋力など、各スポーツに必要な機能を獲得してからスポーツを再開することが大事です。  スポーツ復帰を目指すリハビリでは、肩の機能を獲得したのちスポーツに合わせた動作訓練なども行っていきます。

ふなせいコラム:スポーツ豆知識

アイシングについて

アイシングについて アイシングは、道具を使用するセルフケアの中でも簡便で頻繁にスポーツ現場でも実施されているかと思います。アイシングはどのような症状の方が、どのような方法で実施すれば良いかを今回紹介したいと思います。 どのような症状にアイシングを行った方が良いか? スポーツ現場でよく見られるアイシングの使用方法として、RICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:拳上) が挙げられます。RICE処置は、スポーツをしている中で起こる急性外傷(捻挫・肉離れ・打撲など)に対する応急処置として推奨されております。怪我をした部位を冷やすことによって、急性炎症や内出血、浮腫(むくみ)を抑制し組織の回復を早めることが期待されます。また、慢性的なスポーツ障害(アキレス腱炎や膝蓋腱炎など)に対しても、痛みを軽減させることが可能です。クールダウンと一緒に実施することで、効果があると言われています。 アイシングの方法 アイシングを実施するうえで、重要なことは1.冷却温度、2.冷却時間、3.インターバル(冷やす間隔)と言われています。 冷却温度:アイシングの冷却温度が氷点下であると凍傷になる恐れがあります。家庭用の冷凍庫で作成した氷は0℃以下に凍っている場合がありますので、すぐに使用はせず、表面が溶け始めてから使用をするようにしてください。 冷却時間:アイシングは、急性外傷・スポーツ障害ともに15~20分程度の実施が望ましいとされています。アイシングを実施すると、①強い冷感, ②灼熱感, ③疼痛, ④感覚消失の順で感じ、感覚が消失するまでに約15~20分と言われています。感覚がなくなったらアイシングを終了するようにしましょう。 インターバル:急性外傷の場合、15~20分のアイシングを1~2時間の間隔をあけて、24~72時間継続することが望ましいと言われています。また、急性外傷後のアイシングは、バンテージによる圧迫と併用することで効果が高いと言われています。スポーツ障害のインターバルは急性外傷ほど繰り返す必要性はありませんが、繰り返す場合は最低2時間以上の間隔をあけることが推奨されています。 具体例①<足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)> 足関節を捻った場合は、まず痛みのある部位を確認してください。(写真は足首を内側に捻って外側の靱帯を痛めた例です。) 足関節外側の靭帯損傷があると考えられる部位(痛みや腫れのある部位)周辺にアイスバッグを当てます(図1)。 バンテージを引っ張って圧迫を加えながら固定します(図2)。 心臓より高い位置に足を挙げて、安静を取ります(図3)。 具体例②<大腿後面(ハムストリングス)の肉離れ> 肉離れのRICE処置の場合には、患部の安静を保つために筋肉の力が抜けた状態に保つことが大切です。 うつぶせで膝関節を曲げることでハムストリングスの力を抜きます。 痛みのある部位を確認して、アイシングを行います(図4)。。 (必要であれば、バンテージで固定をします。) 具体例③<大腿前面(大腿四頭筋)の打撲> 打撲(激しくぶつけた場合)では筋肉が挫滅しているため、損傷した筋肉が伸張される肢位をとることによって筋肉の連続性が正常化されます。 あおむけで膝関節を曲げて大腿前面を伸張させます。 痛みのある部位を確認して、アイシングを行います(図5)。 痛みのない範囲で打撲をした筋肉が伸張された位置になるようにバンテージで固定をします(図6)。 具体例④<野球肘などの慢性障害> 慢性的なスポーツ障害(アキレス腱炎、膝蓋腱炎、野球肘など)にもアイシングは痛みを軽減させる効果があります。 痛みのある部位に対して氷(アイスキューブ・アイスカップ)を当てて動かしながらマッサージをします(図7)。 15~20分(感覚がなくなるまで人によって差があります)のアイシングで取り外します。 アイスキューブを使用する場合は、水滴を拭き取りながら実施をしてください。 アイシングの注意点 アイシングの注意点としては、凍傷や神経損傷が挙げられます。長時間の冷却は、凍傷の危険を伴いますので、感覚がなくなったら終了するように気を付けましょう。睡眠中は過剰な冷却を避けるため、行わないようしましょう。また、冬季など環境温が低い場合や、強風・降雨によって体温が奪われやすい環境では全身の体温低下に注意して実施するようにしましょう。 神経損傷は、肘の内側など神経が皮膚に近い場所で長時間実施することで起こる可能性がありますので注意してください。 また、先にも述べましたがアイスキューブやアイスカップを作成して使用する場合に、家庭用の冷凍庫から取り出した氷、アイスパック用の市販の保冷剤は0℃以下に凍っていることもあるため、表面が溶けてから使用するようにしましょう。 【引用文献】 土屋明弘、佐藤謙次、小松絵梨子:アイシングの適応と注意点, 臨床スポーツ医学Vol.32 (5), pp484-487 加賀谷善教:スポーツ障害に対するアイシングの効果, 臨床スポーツ医学Vol.32 (5), pp488-492 加賀谷善教:寒冷療法, 理学療法学32:pp265-268, 2005 小笠原一生:アイシングが生体に及ぼす影響, 臨床スポーツ医学Vol.32 (5), pp480-483 山本利春:アイシングの実際-凍傷への注意, アイシングの方法, クーリングダウン時のアイシング. Sportsmedicine Quarterly 9:13-21, 1997

ふなせいコラム:スポーツ豆知識

熱中症とは

熱中症とは   暑さの中で起こる障害の総称のことです 病型と重症度 熱痙攣(Ⅰ度) 大量の発汗があり、水飲みを補給した場合に血液の塩分濃度が低下して起こるもので、筋肉の興奮性が亢進して、手足や腹筋の痙攣と筋肉痛などの症状がみられる。 熱疲労(Ⅱ度) 目立った体温上昇はみられないが、脱水による全身倦怠感、脱力感、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状が起こる。 熱射病(Ⅲ度) 過度に体温が上昇(40℃以上)して、脳機能に異常をきたし体温調節が破綻した状態です。意識障害は、周囲の状況が分からなくなる状態から昏睡まで、程度は様々である。脱水が背景にあることが多く、血液凝固障害、脳、肝、腎、心、肺などの全身の多臓器障害を合併し、死亡率が高い。 どんなことが身体におこるか? Ⅰ度(からだが少しおかしい) 大量の汗 手や脚がいたい。筋肉がピクピクする 少しの時間、ふらふらする Ⅱ度(からだがおかしいな!) 頭がくらくらする 体がだるい はいてしまう Ⅲ度(すごくからだがおかしい!) 倒れる おかしな話をしたり変なことをする 息がはやくなる 熱中症の発生状況 当院のスポーツ障害予防に対する取り組みとして、成長期に起こりやすい障害について講義し、理学療法士が選手個別にフィジカルチェックを行い、選手自身の弱点を明確にしたうえで、克服のためのストレッチ方法の指導を行う「成長期スポーツ障害予防教室」を開催しています。教室では、上記のようなウォーミングアップ・クールダウンについてもご説明させていただいております。ご興味のある方は是非参加してみてください! 熱中症になりやすい環境 屋外種目では野球・ラグビーが多く、屋内種目では柔道・剣道で多く発症しています。 熱中症は6-9月で多く発生しています。 熱中症は中学・高校生でも多く発生します。 ⇒活動が本格化してくる高校生に多く、学年では体力や技術が未熟な低学年に多い傾向 いざという時のための熱中症の処置 高温下で体調異常になった!!→熱痙攣 ナトリウムを含んだ通しの良い場所へ移動 正常に答えるがめまい・頭痛・大量の汗・脈拍は速く弱いなどがみられる→熱疲労 ナトリウムを含んだ通しの良い場所へ移動 正常な受け答え困難意識消失・見当識障害発汗停止・速く強い脈→熱射病 救急車を要請し、医療機関へ呼吸の確認風通しの良い場所へ移動身体を冷やす(首、脇、足のつけね) スポーツにおける熱中症予防のポイント 1.熱中症に対する認識を持つ 気温30℃以下でも湿度が高いと起こりやすい 激しい運動では30分でも死亡事故が起こることを認識しておく トレーニング効果を上げるために暑さ対策が必要 2.死亡事故の実態を把握する 持久走、ダッシュの繰り返し 個人差(体力、暑熱への慣れ)、体調に注意、特に肥満者 3.トレーニング中の対策 休憩を頻繁(30分毎を目安)に、水分(0.1~0.2%食塩水)を摂取

 
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船橋整形外科病院では、スポーツ医学、身体に負担の少ない手術、人工関節など、整形外科専門施設として、専門的医療を提供しています。

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