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膝関節の疾患と手術

関節鏡の使用

膝関節は人体で最も大きな関節であり、大腿骨、脛骨、膝蓋骨がありそれぞれ関節面を持っています。膝関節の安定性を主に担っているのは靭帯であり、前十字靭帯、後十字靭帯、外側側副靭帯、内側側副靭帯などがあります。大腿骨と脛骨の間にはクッションの役割を担う半月板があります。半月板は内側および外側にあり、荷重を分散、吸収する働きと関節の安定性を増大させる働きをしています。

 


半月板損傷

膝関節の大腿骨と脛骨の間に、体重が伝達される衝撃を和らげるクッションの働きをする半月板があります。内側と外側に二つあり、形態はアルファベットのCの形をしています。これにスポーツや外傷などで膝を捻ったりして強い外力が加わると半月板が切れてしまうことがあります。

半月板の切れ方や切れた部位によって、縫って治癒する場所と縫っても治らない場所があるため、縫って治癒することが期待できる切れ方と部位であれば縫合して治します(半月板縫合術)が、損傷の状態によっては縫っても治る可能性が低い場合は、縫合では無く半月板切除という方法をとります。半月板はクッションの働きを持っているので、できるだけ残すほうが望ましいと考えられています。しかし、残念ながら縫合できる切れ方である確率は低く、10%程度です。半月板縫合術も半月板切除術も、膝の前面に約4mm程度の皮膚切開を2ヶ所作り、片方から関節鏡を入れて観察し、もう片方から鏡視下手術用の器具を入れて半月板に対する処置を行います。関節鏡を用いる鏡視下手術により小さな傷で手術を行うことできます。傷が小さいために術後の回復も早く低侵襲な手術であると考えられています。縫合術の際には追加の皮膚切開が必要になることもあります。

術後のスポーツ復帰に関してはリハビリが非常に重要です。半月板損傷直後から筋力が低下していますので、術後にこの筋力低下を正常の状態に戻し、安定性、持久性などを高めるトレーニングを十分行ってからスポーツ復帰することが重要です。


前十字靭帯損傷

膝の動きを支持する機構の中で特に重要なもののひとつに前十字靭帯があります。この靭帯は膝の中央部に位置し、脛骨の前方向への動きと内旋を制動する重要な働きを持っています。主にスポーツ時の切り返し動作や着地の動作、あるいは相手との衝突などの外力により損傷します。受傷頻度の多いスポーツとして、バスケットボール、バレーボール、サッカー、体操、スキーなどがあげられます。

前十字靭帯が切れた状態で運動をすると、時々膝が抜けるような感じや膝がはずれる感じ、いわゆる“ひざ崩れ”といった症状が起こることがあります。これは前十字靭帯の制動機構が働かないために、非生理的で異常な関節の動きが出てしまっていることが原因と考えられます。

この状態を放置して運動を継続すると、半月板損傷や関節軟骨損傷などの二次的損傷を高率に起こし、将来的な関節の変形が進行しやすいと考えられています。日常生活でも膝の不安定性の強い方や、今後もスポーツを定期的に継続して行いたいという方は前十字靭帯再建術で正常な膝関節機能を再獲得してスポーツ復帰されることをお勧めします。

前十字靭帯の手術は、切れた靭帯を縫い合わせるという方法ではなく、自分の体の他の部分から腱組織を持ってきて、新たに靭帯を作り直す“靭帯再建術”を行います。再建術に使うのはハムストリング腱と言う大腿後面の膝を曲げる筋肉から取る方法と膝前面の膝蓋腱という腱を用いて行う方法などがあります。靭帯を再建する際に関節鏡を用いて関節内の操作をサポートすることにより、手術の傷を小さくすることが可能であり、正常な筋肉への傷害を最小限に抑えられる利点があります。手術侵襲を最小限にすることにより、スポーツ復帰に関しても早く回復できるメリットがあると我々は考えています。

靭帯再建手術には様々な方法がありますが、我々はできるだけ解剖学的に正常の靭帯に近い形で靭帯再建を行うことを目的として、解剖学的二重束再建術を行っています。この方法は、大腿後面のハムストリング腱を採取して、これを用いて二本の束を作って、それぞれを本来の解剖の位置に近いように別々の骨孔に通し再建する方法です。再建された靭帯は徐々に成熟して本物の靭帯に近い状態になりますが、成熟するのには時間がかかることが知られており、再建靭帯組織が成熟するのに約2年かかると考えられています。

前十字靭帯手術においてもリハビリは非常に重要です。前十字靭帯損傷を受傷されますと受傷早期から下肢の筋萎縮、筋力低下がみられることが多くみられます。術前からリハビリを行い、手術までに関節の動く範囲を正常な状態に戻し、また筋力を少しでも正常に近い状態に戻しておくことが必要です。術後にもリハビリを行い、定期的に筋力評価をして、筋力の回復状態を確認し、時期に応じて強度を調整したトレーニングを行います。最終的にそれぞれのスポーツに必要な膝の安定性、俊敏性、持久性などを高めるトレーニングを行い、競技復帰を目指します。


離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎は思春期に多く見られる関節軟骨の疾患であり、骨軟骨が母床から徐々にはがれるものです。原因については諸説があり、まだ不明な点が多く残っていますが、原因のひとつとしてスポーツなどによる繰り返される微小な外力の関与があり、一種の疲労骨折と考えられています。

治療は、疾患の時期により治療法が異なります。軽症であればまずはリハビリ、安静といった保存治療を行うことにより改善が期待できますが、重症となると長期間スポーツを休止しても治癒が期待できません。レントゲン、MRI検査などで軟骨が剥がれた状態になっていると手術治療が必要になります。手術治療は、関節鏡視下に行います。鏡視下に軟骨の状態を確認し、まだ軟骨の剥離が軽度であれば骨髄に向かってドリルで穴を開ける治療を行います。軟骨がすでに剥離してしまっている、あるいは剥離する寸前の状態である場合には軟骨を元あった場所に再び生着させなければならないので、元の位置に戻した上で固定する手術を行います。軟骨が広範囲に欠損している重症な場合には追加手術として軟骨移植術などを行わなければならないこともあります。軟骨の修復には時間がかかるため、術後に一定の期間中は松葉杖を用い体重をかけないようにすることも必要となります。


脛骨高原骨折

脛骨高原骨折とは、転倒、転落、交通事故などにより膝関節に外力が加わり起こる関節内の骨折です。膝関節の中でも体重を伝達しなければならない部分であるため、できるだけ正確に関節面の骨折部を元の状態に戻さなければいけません。関節鏡視を用いて関節面を見ながら、骨折部をより正確に戻すことが可能となります。


関節拘縮に対する受動術

外傷や手術後などに関節の動きが制限されるようになることを関節拘縮と呼びます。膝関節の中は連続した空間であり、ここに癒着が生じると関節可動域が制限されます。関節鏡視下手術によりこの内部の癒着を剥がし、リハビリを行うことにより関節に正常の動きをもたらします。


骨切り術

下肢では、体重の通るライン(アライメント)は膝のほぼ中心を通りますが、変形性膝関節症の患者様は、アライメントが膝のO脚(内側)、またはX脚(外側)に傾いていることが多く、内側あるいは外側の関節軟骨のどちらかが損傷している場合が多いです。歩いて体重がかかるアライメントに膝の内側・外側どちらか一方に偏って負担がかかっている状態です。
その下肢のアライメントを矯正する治療が、「膝周囲骨切り術」です。
下肢の変形の中心が大腿骨にあれば大腿骨遠位骨切り術、脛骨にあれば脛骨高位骨切り術を行い、骨切りを行った後ロッキングプレートで固定します。
人工関節との違いは自分の膝関節が温存できるため、手術後、特に生活上の制限はなく、スポーツや趣味、重労働など含めた職場にも復帰することが可能です。手術は内視鏡カメラ(関節鏡)を使って膝関節の中の処置も可能な限り行います。余分な骨を削ったり、損傷した半月板を切除したりします。半月板の修復が可能である症例や大腿骨骨壊死などの所見があれば、半月板修復術や骨軟骨柱移植などを同時に行うこともあります。
脛骨(すねの骨)の内側に7-10cmの傷を作って、脛骨に内側から切り込みを入れて目標の矯正分だけ開き、β-TCPという人工骨を挿入します。β-TCP人工骨は、吸収されて3-5年で自分の骨に置き換わります。最後に、骨との親和性がよいチタン合金のプレートとボルトで固定します。チタンはMRI検査の際にも問題がない素材です。高齢者に多い骨粗しょう症の方でも問題ありません。チタンプレートとボルトは手術後約1年で体内から取り出しますが、ボルトで開いた穴は自然と埋まります。
手術の所要時間は関節鏡を含めて約2時間~3時間程度となります。骨を切っているので、歩いたり体重がかかったりすると数か月間は痛みますが、ギブス固定などは不要で、翌日から膝を曲げることができ、約3~6カ月で骨がくっついて完全に痛みが引くと、そこからは普通の生活に戻れます。入院期間も以前より短縮されて、現在では10日間となっています。手術後半年程度経過して、骨癒合がしっかり確認できれば、徐々にスポーツ復帰を許可しています。サッカーやラグビーなど負荷の高い運動の復帰も制限はありません。本術式は日本人の健康寿命の延長と生活スタイルの変化に伴い、現在非常に注目されている治療法であり、今後、膝関節分野で飛躍的な発展が期待される軟骨や半月板などの再生医療との併用も期待されています。

図1 高位脛骨骨切り術
(左OPEN型HTO/右ClOSED型HTO)

図2 術後アライメント変化
 

図3 大腿骨遠位骨切り術と高位脛骨骨切り術の併用(Double-Level 骨切り)


膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは大腿骨に対して膝蓋骨がはずれる状態です。
ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。膝蓋骨は大腿骨に対して外側に脱臼することがほとんど(内側の脱臼はまれです)で、自然に整復されることも少なくありません。
初回の脱臼は10歳代の女性が生じることが多く、その後20~50%の方が繰り返し脱臼をきたすことがあります(反復性脱臼)。
新鮮例では膝関節の痛みや腫れが生じます。
脱臼まではしないが、膝蓋骨の異常可動性があり、不安感があるものを膝蓋骨不安定症といいます。
ジャンプの着地などの時に太ももの筋肉が強く収縮してはずれることが多く、はずれた時には膝に強い痛みや腫れを生じます。脱臼は自然に整復されることもありますが、整復されないときは病院での整復が必要です。
外傷以外に全身の関節弛緩性、軟部組織のバランス、異常膝蓋大腿関節(太ももと膝のお皿の関節)の先天的な形態異常、などさまざまな素因により膝蓋大腿関節の適合性が悪く、膝蓋骨が外側にずれてしまっている病態です。
膝蓋骨脱臼をするひとは生まれつきまれつきの素因を持っている(脱臼素因)ことが多く、膝蓋骨や大腿骨の形や位置の異常、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋腱の方向が異なっていることなどがあげられます。10歳代の女性に多く、初めて脱臼した後、約20~50%の方が繰り返して脱臼し、日常生活やスポーツ活動などで脱臼する不安感を感じます(反復性脱臼・亜脱臼)。また、脱臼時に膝蓋骨の内側を支える靱帯の断裂が起こることがあります。

診断

診断は受傷機転や症状、触診などで容易にできます。本人でも膝蓋骨が外れたという自覚があります。稀に生まれつき脱臼位にあり(恒久性脱臼)、幼児期に始めて気づかれることもあります。通常、レントゲン検査やCT検査などで骨の位置や骨折の状態などを確認し 診断がつきます。

診断

初回脱臼の急性期や脱臼の程度が軽いものでは、筋力トレーニングや脱臼を予防するためのサポーターを用いた保存療法が行われます。

臼を繰り返したり(反復性脱臼)、膝の外れる不安感があったり、日常生活やスポーツに制限がある、または反復性に成りやすい元々の素因を持っている、脱臼時の大きな骨折(関節内骨折片)がある場合は手術加療になることがあります。膝蓋骨脱臼を繰り返すと将来的に膝蓋骨と大腿骨の関節(膝蓋大腿関節)部分の変形性関節症になります。手術の適応や方法は、脱臼の素因や年齢、病態によって様々なオプションがありますので、膝関節専門医とよくご相談下さい。

 

当院で行われている手術治療には内側膝蓋大腿靱帯再建術や脛骨粗面前内側移行術・外側膝蓋支帯切離術があります。
手術では、これらの手術を膝の状態に応じて行います(場合によって同時に複数の手術を併用します)。内側膝蓋大腿靱帯再建術とは、膝蓋骨が外側にずれないようにしている内側膝蓋大腿靱帯が極端に緩んでいたり、脱臼により切れてしまったことにより膝蓋骨が脱臼する場合には、自家ハムストリング腱を用いた内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術を行います。脛骨粗面前内側移行術ですが、これはもともとの骨形態の異常などが存在し、膝蓋腱の脛骨付着部(脛骨粗面)が外側にずれていることで膝蓋骨が脱臼する場合に行う手術です。膝蓋腱が付着している脛骨粗面を膝蓋骨が外側に脱臼しなくなるまで内側と前方に移動し、スクリューにて脛骨に固定します。外側膝蓋支帯切離術は膝蓋骨外側にある組織の緊張が極端に強い場合に行います。

 

術後について

手術翌日より車椅子移動、2日目より松葉杖を使いながら、手術した足を軽く着いて歩く訓練を開始します。術後7日目で退院します。経過が長い症例では筋力が低下していることが多く、術後早期には筋力回復が遅延することがあります。術後のリハビリテーションが非常に重要です。スポーツ復帰は筋力回復を見ながら、6ヶ月以降になります。


自家培養軟骨移植術(ACI)

自家培養軟骨

関節軟骨は、ヒザの動きを滑らかにしたり、ヒザにかかる負担をやわらげるクッションの役割を果たしています。軟骨組織には血管がなく、傷を治すための有効な細胞が少ないため、事故やスポーツで軟骨が欠けたり、剥がれてしまうと、自然に治癒するのは難しいと考えられています。

欠けた軟骨の治療法の中で、近年注目されているのが「自家培養軟骨移植術」です。自家培養軟骨移植術にもいくつか種類がありますが、日本で公的医療保険の対象となっているのは、「外傷性軟骨欠損症」または「離断性骨軟骨炎」で、欠けた軟骨の面積が4cm2以上の患者さんです(変形性膝関節症は治療できません)。この治療法は平成24年7月に厚生労働省により承認され、平成25年4月より公的医療保険で受けられるようになりました。

「自家培養軟骨移植術」は、患者さんご自身の細胞を使うので、拒絶反応がきわめて少ないこと、少しの軟骨から細胞を増やすことができるので、広い範囲の軟骨が欠けた場合により有効であるなどのメリットがあり、治療後はヒザの痛みが和らぐことが確認されています。

リハビリテーションについて

移植が終わった約1~2週後からリハビリテーションがはじまります。ゆっくりとヒザを動かしていき、4週後から少しずつヒザに体重をかけていきます。
6週後には全体重をかけるトレーニングをします。ただし、軟骨の欠けた場所や大きさなどにより、リハビリテーションのスケジュールは変わります。

参考リンク:再生医療ナビ


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